怪しい宗教の勧誘ではございません(笑)
旅の目的というやつが変わって来たのです。
一人での旅ならば移動に時間をかけて良い。家族での旅ならば何らかの目的があった方が良い。
年も重ねた近年は、寺社巡りを目的にすることが増えました。有名なところへ行く程度でしたが、ならばいわゆる霊場巡り等やってみるかと。
この手の霊場巡りで最も有名なのは、西国三十三箇所だと思います。これは関西のもので、関東ならば板東三十三箇所がそれにあたります。特に西国三十三ヵ所は草創1300年と言われている時期でもあり、今が旬でありました。
そこで、この三十三ヵ所を巡ってみました。地域は岐阜〜兵庫の多岐にわたります。
 
第一番 那智山 青岸渡寺
和歌山県紀伊勝浦地区にあります。西国のなかでは一番外れているため少々行きにくいのですが、ここが一番と考えればやはり一番に行くべきでしょう。
那智の滝が見える山の上にあります。近くには紀伊勝浦の温泉があり、マグロ漁なども盛んなため、食も温泉も抜群な地域です。
 
第二番 紀三井山 金剛宝寺
和歌山市の近く。紀三井寺と呼ばれます。桜の名所です。
やはりここでは和歌山ラーメンでしょうか。
 
第三番 風猛山 粉河寺
和歌山から奈良へ向かう、JR和歌山線沿いにあります。比較的たどり着きやすい。
 
第四番 槙尾山 施福寺
今では西国一の難所です。山門前の駐車場から上ること30分。夏場の訪問はおすすめしません。
大阪府になります。近くの温泉は犬鳴山温泉がよさそう。
 
第五番 紫雲山 葛井寺
大阪藤井寺です。町に近く、周りは狭い道が多く注意が必要です。
 
第六番 壺坂山 南法華寺
奈良の飛鳥地方。壺阪寺と呼ばれます。目の供養で有名です。また大きな寝観音像などもあり、見所が多い。
 
第七番 東光山 龍蓋寺
岡寺の名で呼ばれます。ここも奈良の飛鳥地方。周りには多くの寺院があるのでいくつか併せて訪れても良いでしょう。
 
第八番 豊山 長谷寺
花の寺として名高い長谷寺。四季を問わずいろいろな花を見せてくれます。
三輪素麺で有名な地域であり、門前の参道にいくつかの素麺の店があります。また奈良漬けも絶品です。
 
第九番 興福寺 南園堂
奈良の中心地、東大寺や春日大社とならび奈良観光の主役です。鹿と戯れながら散策するのにぴったりです。
多少バイクや車の置き場に苦労することもあります。
 
第十番 明星山 三室戸寺
京都の宇治で紫陽花寺として名高い三室戸寺。6月になると多くの人で賑わいます。周辺の駐車場は一杯になるので時期を外した方が良いのか、やはり紫陽花を見るべきか。
 
第十一番 深雪山 上醍醐寺
本来の第十一番は上醍醐の山上にある准胝堂ですが、数年前に落雷により全焼してしまい、現在は麓の上醍醐寺にて代行しています。准胝堂までの山道は厳しく、ここが西国一の難所となっていました。過去にも何度も焼失しては再建していますが、今回も再建されるのか。
 
第十二番 岩間山 正法寺
滋賀県大津近辺。ここも結構な難所で、上醍醐准胝堂から山を歩いてくるのが本道。バイクや車なら問題なくたどり着けるのですが、公共交通機関の不便さは西国屈指となっています。
 
第十三番 石光山 石山寺
今回のツーリングでも立ち寄った石山寺は宇治川沿い。石山寺と言うとおり、大きな石がシンボルです。
近くの南郷温泉はこの辺りでは貴重な温泉。また琵琶湖までももうすぐです。
 
第十四番 長等山 三井寺
圓城寺という別名(こちらが本名?)もあります。琵琶湖の近くで交通便利。縁起には源頼朝、足利尊氏、毛利輝元ら著名人の名が並ぶ。
 
第十五番 新那智山 観音寺
今熊野観音寺と呼ばれる。このあたり、東福寺をはじめ京都東山の中でも紅葉の美しい地域として知られる。
 
第十六番 音羽山 清水寺
京都東山の主とでも言うべきでしょうか。清水の舞台から飛び降りるという言葉で有名。特に外国からの観光客に人気が高いので混雑は必至。
何しろ私自身、ここへは公共交通機関でしか行ったことが無いです。車で行っても大津へ駐車して電車で行く様なところ。
 
第十七番 補陀洛山 六波羅蜜寺
京都東山、清水寺からほど近い。西国きっての謎寺。山号にしても寺名にしても。パワースポットとも言われているようです。
 
第十八番 頂法寺 六角堂
その名の通り六角形のお堂となっている。華道の池坊の本家である。京都の街中で特に自動車での訪問には駐車場問題が大きく、現実的に1台しか無いと考えて良い専用駐車場はなかなかの競争率。バイクならどうするだろう?
 
第十九番 革堂 行願寺
おそらく西国最小の霊場。街中にある門から中に入ると正面に本堂、そして周囲を囲まれた形のコンパクトなたたずまいが印象的。
れいゆうざん、という山号があるが、文字の関係で外しています。
 
第二十番 西山 善峰寺
京都の西山に位置し、西山の主的な存在か。花の寺としても種類時期ともに豊富。東山の賑わいは無いが、落ち着いた雰囲気が良い。
 
第二十一番 菩提山 穴太寺
京都の北、亀岡に位置、周囲は田園が広がる。庭園は美しい。
京都も北の方には温泉もあり、湯の花温泉は落ち着いた静かな温泉。
 
第二十二番 補陀洛陀洛山 総持寺
大阪茨木の町に近い。亀に乗った観音様として有名。
 
第二十三番 慶頂山 勝尾寺
ダルマの寺。なんせ勝つ寺ですから。とにかくあらゆるところにダルマだらけ。
一日中お経が流れている印象で、供養には良いのでは無いかと。
 
第二十四番 紫雲山 中山寺
阪急の駅前に面しており、山門内にエスカレータがあるなどなかなか近代的。安産の寺で、全国からここの腹帯をもらいに来るという。
 
第二十五番 御嶽山 清水寺
京都の清水寺と区別するために播州清水と呼ばれる。神戸三田の北、四季を通じ花や景観を楽しめる。なかなかの規模である。
 
第二十六番 法華山 一乗寺
兵庫県加西市に位置する。本尊は聖観音と言い、観音様の基本形とか。
 
第二十七番 書写山 園教寺
ここも西国きっての難所。西国三十三ヵ所の最西端であり、かつロープウエーで山に上がる。さらにそこからバスに乗るか延々と歩くか。
映画ラストサムライの舞台として有名。
 
第二十八番 成相山 成相寺
丹後半島の先端に近く、これまた難所と言って良い。蛇足ながら、成相寺よりさらに上に道を行くと開けた林道があり、一度入ってみたいと思うのだが・・・
 
第二十九番 青葉山 松尾寺
舞鶴に位置する。馬頭観音を本尊としており、横行や交通、ひいては競馬関係の守り神とか。
 
第三十番 竹生島 宝厳寺
難所中の難所。なんせ琵琶湖の中の孤島、竹生島なのだから。そしてこの島自体がこの寺みたいなものだ。
もちろん往来には船を使うしか無く、長浜あたりから出ている船だけで往復5000円以上するのだから。
 
第三十一番 姨綺耶山 長命寺
琵琶湖の東岸、長浜に位置する。800段を超える石段があり、なかなかに難所でもある。
近くに最近出来た長命寺の湯は琵琶かを望む温泉。食べ物はやはり鮒寿司かと。
 
第三十二番 繖山 観音正寺
東近江の安土城近く。有料の専用林道(舗装)があり、マニアック。だが、実は無料の裏参道があり、そちらの方が駐車場から近いと言う罠がある。
聖徳太子が人魚なために作ったなどという言い伝え。

  
第三十三番 谷汲山 華厳寺
ここだけ岐阜県にある。満願の地で御朱印も3つで完結する。満願のあと掛け軸に表装うる取次業者が多く軒を並べる。
節分の豆まきも有名。近くの温泉も満願の湯と名乗っている。
これにて西国三十三ヵ所は満願となります。
他にも番外が2〜3寺あるのですが、ここでは割愛します。ちなみに私は行ってません。
満願になったら、お礼参りにも行きましょう。
 
西国三十三ヵ所のお礼参りは、長野の善光寺とされています。
全てをおさめた朱印帳に、最後に善光寺の印をいただいて完結としましょう。
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